東北大学大学院医学研究科を1994年卒業し、医学博士取得。大学院時代はLDL(低密度リポ蛋白)受容体につぐリポ蛋白質受容体であるVLDL(超低密度リポ蛋白)受容体を山本徳男教授らと共に世界にさきがけて発表。この研究がきっかけとなり、1985年にノーベル生理学賞を受賞したサウスウェスタンメディカルセンター分子遺伝学講座のGoldstein & Brown博士のもとに1994年に留学。コレステロールホメオスタシスの中心となる転写因子sterol regulatory element binding protein(SREBP)のコレステロール感知・活性化機構を解明し (ref1)、その中心となるステロール応答性変換酵素(S1P)を発見 (ref2)。

2000年より東北大学医学部附属病院 腎・高血圧・内分泌科助手、2001年12月よりサウスウェスタンメディカルセンター柳沢正史教授の総括する日本科学技術振興事業団(JST)創造科学技術推進事業(ERATO)オーファン受容体プロジェクトのグループリーダーに着任。

2003年1月より東京大学先端科学技術研究センター システム生物医学代謝内分泌システム分野(児玉龍彦教授ディレクター)の特任教授に就任。ゲノム科学を用い、生活習慣病・肥満の研究を核内受容体と転写制御の観点から展開。中でもPPAR の活性化が脂肪を燃焼させて肥満を改善することを薬理学的に示し、企業と協働で創薬に挑んでいる。

最近ではゲノムワイドの標的遺伝子解析から、遺伝子の後天的修飾「エピゲノム」が脂肪細胞分化や肥満・生活習慣病形成に深く関与していることを発見し、この領域に本格的に取り組んでいる。

2009年7月より東京大学先端科学技術研究センター代謝医学分野の教授に就任。

2017年4月より東北大学大学院医学研究科 分子生理学講座の教授に就任。(兼任)

 

略歴

1988年3月
東北大学 医学部卒業
1994年3月
東北大学大学院医学研究科修了(医学博士)
1994年9月
米国テキサス州立テキサス大学サウスウェスタンメディカルセンター(Goldstein & Brown研究室)研究員
2000年4月
東北大学助手 (医学部附属病院 腎・高血圧・内分泌科)
2001年12月
科学技術振興事業団 創造科学技術推進事業 グループリーダー
2003年1月
東京大学 特任教授 (先端科学技術研究センター システム生物医学ラボラトリー(LSBM) 代謝・内分泌システム分野)
2009年7月
東京大学 教授(先端科学技術研究センター 代謝医学分野)
2017年4月
東北大学 教授(大学院医学研究科 分子生理学講座)(東京大学 教授と兼任) 現在に至る

 

参考文献

  1. Sakai J, Duncan EA, Rawson RB, Hua X, Brown MS, and Goldstein JL. Sterol-regulated release of SREBP-2 from cell membranes requires two sequential cleavages, one within a transmembrane segment. Cell, 85, 1037-1046. (1996)
  2. Sakai J, Rawson RB, Espenshade PJ, Cheng D, Seegmiller AC, Goldstein JL, and Brown MS. Molecular identification of the sterol-regulated luminal protease that cleaves SREBPs and controls lipid composition of animal cells. Molecular Cell, 2, 505-514. (1998)
  3. Sakakibara I, Fujino T, Ishii M, Tanaka T, Shimosawa T, Miura S, Zhang W, Tokutake Y, Yamamoto J, Awano M, Iwasaki S, Motoike T, Okamura M, Inagaki T, Kita K, Ezaki O, Naito M, Kuwaki T, Chohnan S, Yamamoto TT, Hammer RE, Kodama T, Yanagisawa M, & Sakai J. (2009) Fasting-induced hypothermia and reduced energy production in mice lacking acetyl-CoA synthetase 2. Cell Metabolism, 9, 191-202.
  4. Abe Y, Rozqie R, Matsumura Y, Kawamura T, Nakaki R, Tsurutani Y, Tanimura-Inagaki K, Shiono A, Magoori K, Nakamura K, Ogi S, Kajimura S, Kimura H, Tanaka T, Fukami K, Osborne TF, Kodama T, Aburatani H, Inagaki* T, & Sakai* J.  “JMJD1A is a signal-sensing scaffold that regulates acute chromatin dynamics via SWI/SNF association for thermogenesis” Nature Comm. 6:7052, (2015)
  5. Yoshihiro Matsumura, Ryo Nakaki, Takeshi Inagaki, Ayano Yoshida, Yuka Kano, Hiroshi Kimura, Toshiya Tanaka, Shuichi Tsutsumi, Mitsuyoshi Nakao, Takefumi Doi, Kiyoko Fukami, Timothy F. Osborne, Tatsuhiko Kodama, Hiroyuki Aburatani, & Juro Sakai. “H3K4/H3K9me3 Bivalent Chromatin Domains Targeted by Lineage-specific DNA Methylation Pauses Adipocyte Differentiation” Molecular Cell, 60, 584-596, (2015)

所属学会

日本内科学会・日本動脈硬化学会(評議委員)・日本糖尿病学会・日本内分泌学会・日本心血管内分泌学会(評議委員)・日本臨床分子医学会(評議員)・日本高血圧学会・日本分子生物学会・日本生化学会

特技

柔道二段(黒帯 / 東北大学柔道部長)